業種 | IT業(ホムページ制作・広告・コンサルティング事業等) |
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負債総額 | 1億円 |
債権者数 | 14社 |
ポイント | 代表者も破産手続きを行った |
相談に来た経緯
相談者はウェブ作成・広告代理・コンサルティング事業を行う会社の社長です。
前職での経験を活かし、独立起業をしました。
当時の右肩上がり市場の追い風もあり、多くの取引先に恵まれ売上を伸ばすことができました。
採用していたビジネスモデルも好評で、取引先は除々に増えていきました。
しかし、全て成果報酬型の契約だったため、高額の報酬を得るためには多額の人件費をかける必要があり、多額の人件費をかけても成果が伴わないこともあり、徐々に人件費が経営を圧迫するようになりました。
また、従業員のミスにより売上額を大幅に超える外注費用の負担を余儀なくされ、更に、資金繰りを悪化させることとなりました。
銀行から追加借入も行いましたが、経営を持ち直すことはありませんでした。
その後、他社との連携を強め営業強化をしましたが、収益は悪化する一方で、資金が回らなくなりました。
コピー機台やリース料も支払えなくなり、事実上会社は破産状態に陥ったため、会社及び代表者について破産手続をとりたいということで相談にいらっしゃいました。
当事務所の対応
法人については売上回復の見込みもなく、資産もなかったことから、破産手続をとることとしました。
福岡だけでなく東京にも営業所がありましたので、代表者の協力を得ながら東京営業所も閉鎖しました。
破産手続にかかる費用については、今回は、売掛金はありませんでしたが現預金がありました。
手持ちに現金がない場合、売掛金を回収して弁護士費用に充てることが可能ですが、時間がかかるというデメリットがあります。
今回の場合は、売掛金を回収せず現金があっため、すぐに破産に必要な費用をご準備いただき、スムーズに申立の準備を進めることができました。
破産申立
債権調査や資産の調査が終了した段階で、裁判所へ申立を行いました。
申立にあたり、代表者及び関係者の協力は必須です。
今回は、申立までに3回ほどの打ち合わせを経て、受任から約2か月で申立を行いました。
債権者集会・その後
申立から約2ヶ月後に債権者集会が開かれました。
債権者集会とは、債権者の意思を手続きの遂行に反映させるために開かれる破産債権者の集会のことです。
具体的には、破産者の財産状況について破産管財人が調査した結果を報告し、破産手続きの進行について債権者の意見を聴取します。
今回の事例では、計3回の集会を経て、申立後約1年で破産手続は終了しました。
弁護士より
法人破産をするためには、費用が必須となります。
費用は通常、未払売掛金を回収したり、元預金から捻出されることが多いです。
今回の場合は、会社に現金が残っていたため、そこから費用を捻出することができました。
法人破産お考えの方は、破産手続に必要な費用を準備できる段階でお早めにご相談ください。