業種 | 機械メーカー下請け業 |
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負債総額 | 2500万円 |
債権者数 | 12社 |
ポイント | リース物件・車の引き上げ対応・代表者も破産手続きを行った |
相談に来た経緯
相談者は自動販売機設置及びメンテナンス業、機械メーカー下請け業等を行う会社の社長でした。
代表取締役を引き継いだ当初は売上も順調で、これまでに今まで下請け業を2社でおこなっていました。
しかし、合併などにより3社で下請けを行うことによる仕事量減少、元請け会社が別会社を設立したことでによる直接取引の減少に伴い、徐々に経営が悪化していきました。
その後、経費削減や人為削減などを行い年間700万円ほどの削減に成功しましたが、赤字決算は続きました。
返済も滞ってき、運転資金を借りることも難しくなりました。
そんな中、大地震が起こり、メンテナス業務は一時停止してしまい、会社の売上を出すことがますます困難になりました。
この頃から個人で運転資金の借入を行うことも増えました。
会社の運営の不安を抱えきれず、返済も困難となり、相談にいらっしゃいました。
当事務所の対応
法人については売上回復の見込みもなく、資産もなかったことから、破産手続をとることとしました。
また、リース物件や車を所有されていたので、引き上げの対応を行いました。(参考:【Q&A】法人が破産するとリース物件はどうなる?)
依頼者が協力的だったため、スムーズに行うことができました。
また、事業資金として現金が残っていたため、弁護士費用を捻出することができました。
破産申立
債権調査や資産の調査が終了した段階で、裁判所へ申立を行いました。
申立にあたり、代表者及び関係者の協力は必須です。
今回は、申立までに3回ほどの打ち合わせを経て、受任から約2ヵ月で申立を行いました。
債権者集会・その後
申立から約2ヵ月後に債権者集会が開かれました。
債権者集会とは、債権者の意思を手続きの遂行に反映させるために開かれる破産債権者の集会で、破産者の財産状況を破産管財人が調査、その結果を債権者に報告し、破産手続きの進行についての意見を聴取します。(詳しくは、債権者集会についてをご覧ください。)
開催回数は事例によって様々でが、今回の事例では、計3回の集会を経て、申立後約半年で破産手続は終了しました。
最後に
法人破産するためには、費用が必須となります。
費用は通常、未払売掛金を回収するか、所有現金から捻出されることが多いです。
今回の相談者は売掛金があったものの、売掛先の会社が倒産していたため回収することができませんでした。
しかし、幸い、会社にわずかながら現金があったため今回は申立をすることができました。
法人破産ご検討の方はお早めにご相談頂ければと思います。