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代表者の家を守った建設業の解決実績

1.相談に来た経緯

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 相談者は、福岡県福岡市で家電設備の設置などの一般建設業を営む、会社の社長でした。


 資本金は300万円。相談の3年ほど前までは、年間8,000万円ほどの売り上げがありましたが、徐々に減少し、相談の前年では3,000万円を割り込んでしまったとのことでした。


 社長が病気になってしまい、景気が悪くなってきたことも相まって、近年急激に経営状態が悪化したとのことで相談にこられました。


 会社は社長と取締役を務める長男とで中心となって会社を経営してきました。


 長男を社長として事業を継続できるか等、再生の道を検討したが、長男の経営によって多額の返済を継続することは事業規模や取引先との関係等から困難な状況にあり、本人らの意思もあってやむなく破産することを選択しました。


2.受任通知後

(1)受任通知

 まずは、取引先や銀行などの債権者に対し弁護士が代理人として受任したことの通知(受任通知)を送付しました。


 受任通知を送付すると、金融機関等は取り立てをすることができず、支払いを一時的に停止することができます。


 当該事例では、相談に来られた数日後に銀行からの引き落とし日が迫っており、なるべく資産が多い状態で破産手続に入るために、引き落とし日の直前に受任通知を送付しました。


 また、これにより債権者の破産会社に対する厳しい取り立てから、社長や役員、従業員を守ることができました。


 ただ、受任通知を送った後でも、会社からの備品等を持ち出す悪質な債権者などがいることも想定して、本社への張り紙、本社の倉庫等の施錠等十分な注意をする必要があります。


 ※法人破産の場合、個人破産と異なり、受任通知を送付しないことが多いです。本件では、売掛金等と金融機関からの相殺への対応のため、受任通知を送付しました。


(2)弁護士費用

 破産するに際しても弁護士費用はかかります。


 ただ、破産をするのに弁護士費用をすぐに支払える方はなかなかいません。


 そこで、債権者らに対する支払いをせず、現にある資産の中から優先的に弁護士費用を支払うのが通常です。


 また、受任通知をした後でも売掛金などがあれば、適正な額で回収して、これを弁護士費用に充てることなども考えられます。


 当該事例では、仕掛中の工事現場が複数ある状況でした。建設業の工事などは、途中で中断すると、それまでの分の金額をちゃんと支払ってくれることは稀で、むしろ途中で破産することにより他の業者を選ばなくてはならなくなったなどとして、損害賠償請求をされることも少なくありません。


 しかし当該事例では、迅速な対応、引継ぎをしっかりとすることにより、その仕掛段階に応じた売掛金を全額回収することができました。


 以上により、社長や他人からわざわざ借り入れることもなく、弁護士費用を捻出することができました。


 このように、相談時点で会社に現金がない場合でも破産ができる場合があります。


 ※基本的には申立代理人は債権回収行為や換価行為は避けるべきですが、今回のケースは破産費用を捻出できるだけの現金が存在しなかったことから、売掛金を適正な額で回収しました。


(3)従業員の給料、取締役の報酬

 事業を終了する以上、従業員は辞めていただくことになりますが、従業員の給料は、取引先などの債権者よりも優先的に支払われなければならないとされています。


 しかし、一般的には従業員への給与の支払いも困難な状態があることも多いです。


 当該事例では、売掛金の回収により、事業終了日までの従業員の給与を全額支払うことができました。


(4)健康保険や雇用保険についてもサポート

 従業員を解雇する際には、会社から離職票の作成をしたり、国民健康保険への切り替えなどの手続きをする必要があります。


 当該事例では、社会保険労務士と提携し、事業停止後、スムーズに国民健康保険などの社会保険に関する手続きをすることができました。


(5)自由財産の拡張

 会社の破産と同時に個人も破産するケースは多くあります。


 それは、社長が会社の保証人になっている場合が多いからです。


 個人の破産の場合は、全ての資産が換価(売却等により現金化すること)されるわけではなく、自由財産といって、生活に必要な最低限の資産が換価されず個人が自由に使える財産があります。


 しかし、これだけでは不十分な場合も多くあり、一定の要件を満たせば、自由財産の拡張の申し立てをすることができます。


 当該事例では、社長が高齢者であり、かつ病気であることなどから、今後の収入が見込めないことなどを理由に、個人の破産において通常認められる自由財産の範囲の拡張を請求し、通常より拡張した形で認められました。


 以上のように、たとえ破産したとしても、オーナーや従業員の現実の生活を守ることができる場合もあります。


3.破産申立て

 債権調査や資産の調査が終了した段階で、裁判所への破産申し立てになります。


 破産申し立て後、2週間ほどして裁判官に呼び出され、質問事項などを確認した後(審問といいます)、その日のうちに、破産開始決定がなされました。


4.債権者集会 、その後

 申し立てから約3ヵ月後に債権者集会が開催されました。


 管財人の調査、換価処分等により、従業員の給料や税金など優先的に支払われるものを除いて、債権者に最終的に配当に回せるのか、回せないのかが判断されます。


 配当に回せないことが明らかな場合には、この債権者集会で破産手続きは終了するため、申し立てより3ヵ月という短期間で破産手続きが終了する場合もあります。


 優先的に支払われるものを除いても、債権者に最終的に配当に回せる財産が残っている場合には、配当手続を経て破産手続きは終了になります。


 今回の事案では配当するまでには至らず、3回の債権者集会を経て破産手続は終了しました。


5.最後に

 本件での社長は病気になってしまい、法律相談もままならず、自分ではどうすることもできなくなっている状況で、奥様のご協力の下なんとか破産手続きとして終了することができた事案でした。


 単に負債、資産を清算するだけではなく、社長の今後のために一定の資産を残したり、可能な限りで従業員への給料を支払ったり、経営者および従業員の再生のきっかけにすることができた法人破産だったといえます。


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